モトクロスにあこがれた日々

皆さんはバイクの競技の中でモトクロスというジャンルを知っていますか?簡単に書くと、荒地を駆けたりジャンプできるように特殊に改造されたモトクロスバイクというバイクで競争する競技のこと。車輪は荒地や沼地にもしっかりホールドできるようにごつごつとしていますし、モトクロスバイクに乗るライダー、モトクロッサーと呼ばれますが、急な転倒や車輪が跳ねた石などにあたっても怪我をしないよう、全身にプロテクターを付け、革ジャンや革の手袋、ロングブーツ、などじつにハードないでたちでモトクロス競争に参加します。

私もよく観客の一人としてこの競技会を見に行きました。すごい迫力でした。自分の目の前を何十台というモトクロスバイクが駆け抜けていくのです。興奮で全身の血が逆流してきます。なにより、荒地をスピード制限なしのモトクロスバイクが疾駆するのですから、普通の状態じゃありません。もし、ライダーの一人でも転倒しようものなら、へたすればたくさんのモトクロスバイクに踏まれてしまって大けが、へたすればあの世行きです。それでも怖いもの知らずのライダーたちは荒地を駆け、ジャンプを繰り返して、トップを狙うのでした。

私は見ているだけでは満足できなくなりました。そこで、まずは当時の125cc以下のバイクが乗れる小型免許というものを取りに行って取得したのち、即日でスズキのハスラー90ccというモトクロス系のバイクを購入しました。ただ運動音痴だった私は別に本格的なモトクロッサーになれる自信もなかったので、近くの河川敷へ行ってハスラーを乗り回すことにしました。気持ちはすでにモトクロッサーでした。

同じようなことを考える仲間は探さなくてもいるものです。私が初めてその河川敷デビューしたとき、すでにその場所は多くのライダーのモトクロス練習場でした。たくさんのジャンプできるポイントが開発されていて、すでに何台ものバイクがそこで戯れていました。

私もすぐに仲間入り。ただジャンプはヘタレの私には勇気のいる行為でした。それでも初めて勇気を振り絞ってバイクとともに空中に舞って無事に着陸した瞬間、私は気持ちはモトクロッサーそのものでした。心の中で大きなこぶしをやったーと突き出していました。しあわせでした。若き日の思いでです。